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新築マンションVS中古リノベ

「新築マンションが一番良い住宅」と思っている方が多いと思いますが、それは残念ながら正解とは言えません。 正確に言えば、どこも同じような性能の新築より、中古購入を含む既存マンションをリノベーションして性能向上するほうが遥かに高いレベルの高性能な住宅にすることができるということです。

1. マンションは新築より、リノベーション

マンションは新築より、リノベーション

なぜか?
それは新築マンションの個々世帯の住居は30年以上変わらない間取りと住宅性能のままという実態があるからです。
もちろん外観や共有部のサービスは様々な向上が行われていますが、実際に暮らすことになる個々世帯の住居は美しい外観とはかけ離れたレベルと言えます。
最近の新築マンションは換気性能が向上しているので結露は出にくくなっていますが、北側(玄関側)の部屋は相変わらず冬の寒さが激しいまま。これは断熱性能不足と無理に3LDKなどにする断絶された間取りが原因であり、30年以上変わらない部分。

実際に弊社のお客様も「新築か中古リノベか」で悩み新築マンションなどを見に行かれ、その中身(室内)を見比べて、『リノベしたほうがよい暮らしができる』と判断されているのは「マンションは新築よりリノベが良い」ということを実感されているからだと思います。

マンションは新築より、リノベーション

新築の販売広告を見てみると、ほとんどが外観について美観性や共有部のサービスに重点が置かれています。肝心の個々の世帯を見ると、販売用平面図に床面積と〇LDKと書かれているキッチンや浴室などの設備機器も金額のわりにレベルが高くない機材を使っているようですし、内装は普及品の壁紙とドアはプリント材の開き戸。
写真では置き家具やラグマットとグリーンを置いて彩ってはいますが、実際に購入後に入居するときには十人十色の家族があるのにもかかわらず、みな同じ間取り構成になっています。

『住む方が家に合わせて暮らさなければならないスタイル』
これでは暮らし始めてから不都合な部分が数多く出てくることでしょう。
そしてそれはみな同じ悩み、
『収納が足らない』『北側が寒い』
『箪笥や食器棚等の置き家具を置いたら狭くなって、広さが足らない』
『既製品の置き家具が寸法合わずで出っ張り、室内を狭くしてしまう』

だんだん年月とともに言われるのが、
『北側の部屋が結露とカビで子供部屋として使えないので物置になっていて、南側のリビング横の和室で川の字になって家族四人で寝ている』
『収納が足らなくて廊下にまでトイレットペーパーやペットボトルの段ボールが置かれてカニ歩きのようになっている』
などなど、代表的な住んでからのご意見やお悩みです。
間取りや性能がずっと変わらないので、マンション住まいの方の悩みもかなり共通していることが多いです。

これが
『住む方が家に合わせて暮らさなければならないスタイル』

しかし本来暮らしやすさとは、
『住宅とは、住む方の暮らしに合わせて作るスタイル』
つまり注文住宅です。
さらに言えば
『どこの部屋に行っても冬暖かく夏涼しい』
『収納計画を作り、収納や家具を建築の一部として作るから家が広く使える』
『家族構成に合わせた間取りにするから無駄がない』
『家族の成長や変化に対応できる10年後20年後の暮らしにも対応できるプラン』
『設計計画の通りに片付く住まいになる』
などなど、書ききれないほどメリットがあるのが注文住宅型のリノベーション。
それは十人十色のそれぞれの家族のために作る形。
当然暮らしやすいことが想像できるのではないでしょうか?

マンションは新築より、リノベーション

2. 新築マンションとリノベ 価値と価格で比較

もちろん新築マンションにもメリットもありますが、場所にもよりますが例えば浦和駅周辺での新築マンションは徒歩10分圏内 床面積70㎡ 3LDK 約6000万円
これを同じ広さと立地で築20年前後の中古マンション 約3000~3300万円

これに十人十色の注文住宅型のリノベーションを2500万円で施工したとすれば、総額は5500~5800万円
単純な差額でも200~500万円近く変わります。
収納や家具を建築の一部として作りこめば、新たに家具も照明も購入しないで済みますし、様々な諸経費も入れれば、さらに差額が出ることと思います。(弊社が提供する木のマンションリノベーションの場合)

マンションなら新築より中古マンション+リノベーションのほうが、理想を超えていく住まいと暮らしが手に入る。

新築マンションとリノベ 価値と価格で比較

ここで心配になるのが中古マンションを買って、その構造はどこまで持つのか???
よくある質問です。

3. 築年数はどこまで?

そもそもマンションは前出の通り鉄筋コンクリート造(RC造)か鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)がほとんどで、その構造の強度は一般的な木造戸建てと比べると、数倍の耐久性があるといわれています。(もちろん耐久性の高い木造も多くありますが、そこにかかる費用はやはりその分高額になるかと思います)

また災害大国日本で考えてみた時もRC造やSRC造はその耐久性から災害大国日本に適していると言えます。
ある建築系の大学教授は
「新耐震基準(1981年6月以降)を満たして、標準的な維持管理ができていればRC構造の共同住宅(マンション)は150~200年は持つのではないか?」と言われているそうです。
150~200年は大げさな気がしますが、マンション専門の建築家の仲間の認識では100年は十分に持つだろうと考えています。
ですので、「新耐震基準を満たしており、標準的な維持管理ができているのであれば、築10年でも築35年でも注文住宅型のリノベーションをしっかりすれば、不安になることはないですよ」とお客様にはお話ししています。

一般的な常識というか、不動産屋さん的な常識では築浅ほど良いと物件価格の高いほうを進められると思いますが、物件価格に予算を取られてしまうがデメリットが大きいので、これから中古マンションを購入する方はご注意ください。

家族構成が変わる事を前提にした可変性のあるプランとは

4. マンションリノベーションの本質とは?

これまでにお話しした内容は他では聞けない内容と思います。
不動産屋さんに聞けば
『そんなリノベーションなんかにお金かけるより築浅買ったほうが良い』
『築30年のマンションにそんな大きな金額かけるなんて価値がない』等と仰るかと思います。
しかしそれは根拠ない話を展開する不動産業界の考え方でしかありません。
(不動産屋さんは建築を知らない方が多いので)
ここまで話した内容は『マンションリノベ専門の工務店』としての専門知識と根拠に基づいた話であることを付け加えておきます。
そして弊社が企画している構造・完成見学会や暮らしの見学会で実際に体感されて、ご自身の住まいづくりをした方々がどのような暮らしをしていて、そして感じているのかは、このHP内の『住まい手の声』で確認してもらえればと思います。

最後にマンションリノベーションの本質とは
『災害大国日本の風土に適した、耐久性・断熱性の高い十人十色の注文住宅』ということになるかと思います。