【南千住の家】コンパクトな家で、悠々と暮らす

東京の下町南千住にある、四人家族のための木のマンションリノベーション。
この物件は真四角に近い約53㎡と、躯体に囲まれた約10㎡に二分されている。
10㎡の居室は形を変えることができず、残り53㎡での家族四人の暮らしを想像し設計した。
子供達の年齢を考慮し、これからの家族の形がどのように変わっても対応できるように工夫。
家族四人の暮らしが充実したものとなるよう、コンパクトにまとめながらも悠々と蒸らせる住まいを設計した。
至る所に「可変性」を持たせ、いくつもの役割を「共有」させた。
53㎡側にLDK・洋室と水廻りを、10㎡側には可変するロフト付き居室を配置。
LDKと洋室は日中は引き戸を全開して広く使用し、閉めれば寝室となる。
限りある空間を、建具を使用することで広くもコンパクトにも使用できる。
小下がりビットリビングには造作ソファを設置し、家族が集まる居心地の良い空間を作った。
窓枠からのラインをキッチンやエアコンのラインに繋げてスッキリと見せ、天井には小幅板を使用し奥行き感を出している。
ダイニングには、施主が使用するテーブルの高さに合わせて奥行き600mmのカウンターを造作。
食事や勉強・読書にと、暮らし方の多様性を作り出した。
メイン空間の大梁には栂材を渡し、木のトンネルのように見せた。
ブラケットで光る木目が美しく存在感を放つ。
同時に建具の戸当たりの役目も果たしている。
躯体に囲まれた10㎡(6畳)の居室のうち約3畳をロフトとし、カーペット仕上げで子供の寝床とした。
ロフト下部は家族全員の洋服などを収納するクローゼットとして使用できる。
残り3畳部分もカーペット仕上げとし、家族の寝床として使えるようになっている。
洗面台は廊下の動線上に配置して独立させ、廊下の建具を閉じればトイレとのパウダールーム的役割に。
ふたつの動線で回遊できる間取りとし、空気と人の流れを作った。
- 築年数 21年
- 家族構成 40代夫婦 子二人
- 面積 63.45㎡
- RC構造