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事例Pick up【下石神井の家】1階の湿気と底冷えを克服。「給気誘導ダクト」で空気を設計

1. お悩み:実質地下1階に位置する住戸。冬の底冷えと夏の多湿、転居も考えた過酷な環境

下石神井の家は、実質地下1階という立地ゆえの非常に厳しい環境にありました。冬はコンクリート床からの強烈な底冷えで、暖房器具をフル稼働させても寒さをしのげない毎日。一方、夏は外からの湿気が逃げ場を失って滞留し、壁やクローゼットにはカビが発生。転居も視野に入れ、家族5人が健康で快適に暮らせる家を求めていました

 

 

2. 解決策:「外気を誘導し、緩和して取り込む」仕組みづくり

この過酷な環境を克服するため、コンクリート躯体6面(壁・床・天井)全てへの徹底した断熱と、「給気を誘導する仕組み」を計画しました

気密性の高いマンションにおいて換気は不可欠ですが、実はこれが『冬の冷気や夏の湿気を直接招き入れる原因』にもなっています。そこで私たちは、取り込んだ新鮮な空気をそのまま放つのでなく、「誘導して下処理」する仕組みを整えました。




  • 冬:本来捨てられる「家電の熱」で冷気を温める

  • 1.コンクリート躯体に囲まれたテラスの冷たい空気を給気口から取り込み、専用ダクトで冷蔵庫の上部へ引っ張ります
  • 2.冷気を冷蔵庫から出る排熱(捨てられる熱)で和らげてから室内へ循環させることで、給気口付近の不快なコールドドラフトを解消。


  • 夏:中庭の湿気を「エアコンで捕まえて」除湿する

        1. 1.植栽が多い中庭からの湿った空気を、給気誘導ダクトでエアコンの吸込口付近へファンで誘引
        2. 2.湿った外気をエアコンに直接吸わせ、内部で結露させて水分を回収
        3. 3.除湿されたドライな空気をダクトで全室に送り、水分はドレン管で屋外へ排出。


      天井に格納したエアコン1台から、夏は天井からドライ冷気を送り、冬は暖気を床下へと送り込むことで、家全体を「全室床暖房」のような状態に保ちます。さらに珪藻土や杉床といった自然素材の調湿効果が相まって
      1年を通じて「快適な室温と、床がサラサラな湿度」が保たれる環境が実現しました。

 

3. 結果:性能がもたらした「家族の笑顔」

UA値は1.04から0.32へと劇的に向上し断熱等級6を大きく超える住まいに生まれ変わりました

「お家があたたかいって幸せ!」と語るご主人。

その後訪問した際には、かつて寒さを我慢して勉強していた娘さんたちが、あたたかい杉床に座り込んで姉妹で百人一首を楽しまれていましたのが印象的でした。




Toivoのこだわり:デザインの前に「性能」を

 

どれほど美しい空間も、湿気や寒さがあっては台無しです。

【下石神井の家】のように、本質的な課題を技術で解決してこそ、木という素材が持つ本来の力が引き出されます。「性能向上」という土台があるからこそ「豊かな暮らし」のデザインが可能になると考えています。

 

 

・「下石神井の家」施工事例はこちらから https://www.toivo.co.jp/works/works-36213/
・「下石神井の家」Youtubeルームツアーはこちら https://youtu.be/RptL2M-Oo5E